発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

イシス編集学校は、インターネット上で学ぶ、松岡正剛が校長をつとめる世界で一つの方法の学校です。
基本コース[守]では、38のお題が用意されています。
38のお題は、それがそのまま「編集の型」であり、すぐに使える「編集術」になっています。
編集術とは、「思考の武器」であり、「表現の楽器」であり、「発想の楽器」です。
具体的にどんなカリキュラムなのか、どんなお題なのか、ざっくりとご案内します。
はじめに38のお題は次の4つの用法に分類されています。
●お題001〜010番:
用法1「わける/あつめる」情報の見方 Open perspective
●お題011〜019番:
用法2「つなぐ/かさねる」情報の関係づけ Imaging Network
●お題20〜29番:
用法3「しくむ/みたてる」情報の構造化 Analogical Way
●お題30〜38番:
用法4「きめる/つたえる」 情報の表現 Changing Mode
大まかにいえば、「情報とは何か?」という「情報の見方」(用法1)を学び、情報を「関係づけ」(用法2)、「構造化」(用法3)する方法を身につけ、最後は「表現」(用法4)する力を磨いていくという稽古の流れになっています。
順を追って学んでいくととても理解しやすいものなのですが、一気に深い入りするとむずかしく感じてしまうかもしれないので、今回は「用法1」と「用法2」のみを取り上げたいと思います。
◆コップは何に使える? すべてを「情報」と捉えると…?
まず用法1は、これから学ぶ「情報編集」および「情報」というものをどうとらえるかという見方をつかみながら、おもに情報をインプットする場面の編集を学びます。
すでにむずかしいでしょうか…。
すごく簡単にいえば、あらゆる物や事を「情報」として捉えるカマエを学びます。
例えば、【お題001】は「コップは何に使える?」ですが、ここでもコップを「情報」として捉えるわけです。
ふだんコップを情報として捉えるなんてこと、まずありませんよね。「そんなことして何になるの?」と考えてしまうのがふつうです。
でも、情報編集という見方で眺めると、日常の景色がガラッと変わります(ここが編集学校の面白いところです!)。
では、コップを情報として捉えるとどうなるか? いろいろと「言いかえ」ができるようになるのです。形に着目すれば「うつわ」と言うこともできますし、素材に着目すれば「ガラス」と言うこともできますね。
図には6つのコップの中に「で」「に」「を」「へ」「と」「が」とありますね。これはいったい何でしょう。考えてみてください。
◆ジャンケン三段跳び 「3」の魔法でアタマもすっきり!
情報を「わける」「言いかえる」ことで、たくさん情報を「あつめる」ことができることはわかりました。それではその集めた情報をどうするのか。次に用法2です。
編集の「型」を動かしながら、情報をつないだり、かさねたりすることで、情報と情報の関係づけやリンキングをしながら、そこに<新たな情報>を生み出そうというのが用法2のねらいです。
「型」というと、「型にはまる」といったネガティブなイメージがありますが、日本の茶の湯や武術、音曲や絵画などの多くの芸能、スポーツ、アートの稽古がそうであるように、「型」こそがダイナミックな活動やコミュニケーションをつくり出す独自の工夫や技術の源泉になっています。「型に始まり型に終わる」とさえいわれます。
図のお題【011番】「ジャンケン三段跳び」には「松・竹・梅」が描かれていますね。これも実は情報の「型」なんです。3つの要素で1セットをつくる方法です。「ジャン・ケン・ポン」がその代表ですね。
お題【011番】では、「3つで1セット」の型を動かすことで、情報の見方や関係が変化していくことを実感できるはずです。
「3つで1セット」のことを編集学校では「三位一体」や「三間連結」と言うのですが、これを掴めると情報編集力が格段に上がります。不思議なことに「3」の魔法がうまく使えるようになると、アタマの中のごちゃごちゃもスッキリと整理することができてしまうのです。
「編集」というと、書籍・雑誌の編集や映像の編集を思い浮かべるかもしれませんが、すでにお分かりいただけたとおり、イシス編集学校で学ぶ「編集」はそれにとどまるものではありません。企画力や発想力をはじめ、わかりやすくいえば、コミュニケーションそのものを「編集」と捉えています。
イシス編集学校に入門して、あなたの奥底で眠る未知の才能、「編集力」に出会いませんか。
イシス編集学校 第51期[守]基本コース
ご参加希望の方は申し込みをお急ぎください。
稽古期間:
2023年5月8日(月)~8月20日(日)
URL:
https://es.isis.ne.jp/course/syu
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
佐藤優さんから緊急出題!!! 7/6公開◆イシス編集学校[守]特別講義「佐藤優の編集宣言」
佐藤優さんから緊急出題!!! 「佐藤優の編集宣言」参加者のために佐藤優さんから事前お題が出題されました(回答は必須ではありません)。回答フォームはこちらです→https://forms.gle/arp7R4psgbD […]
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。